カイバブ・アップリフト [116]

モアバ・バレー[113] の続きです。「アクセルワイヤーの切れ端をフックの形状に曲げて、ペーパー・クリップで連結してエンジンに繋ごう」と男性は言いました。が… しかし、アクセルワイヤーはペンチの入らない細い隙間で切れていましたので「アクセルワイヤーを曲げるにはどうするか?」白いワーゲンの男性は悩んでました。私は「ノープロブレム」と言うと人差し指を隙間に突っ込みユリゲラーがスプーンを曲げるようにいとも簡単にアクセルワイヤーの切れ端をフック状に曲げてしまいました。白いワーゲンの男性は「グッドジョブ!」と驚きながらサムズアップして微笑んでくれました。今思えば火事場の底力だったと思います(笑) ペーパー・クリップでなんとか応急処置した私のフォルクスワーゲンは、なんとか自走できる状態になりました。サンディエゴからカンサスシティへ向かっている白いワーゲンの男性にお礼を言うと、男性は先に出発して行きました。私も気を引き締めてアクセルを慎重に踏み込んで、できるだけペーパー・クリップに負担をかけないように運転を再開しました。これからなんとしてでも100マイル(160km)を無事に走行しなければなりません。グランドキャニオンには行ったことはありませんでしたが、私が走っている風景は写真で観たことのあるグランドキャニオンそのものでした。カイバブ・アップリフトとよばれる地殻変動により隆起した地層が雨・風で浸食された雄大な景色は圧巻でした。宇宙へ行ったことはありませんが、まさにこの世のものでない創造を絶する景観は宇宙レベルでした。なんとか日が暮れるまでに人の住む地域まで辿りつけました。コープ・フォートという小さな町でした。ガソリン・スタンドでガソリンを補給しながら、お店の人にアクセルワイヤーの修理を頼みましたが、部品がないので大都市まで行かないと修理できないとのことでした。北方面のユタ州ソルトレイク・シティもしくは、東方面のコロラド州グランド・ジャンクションがここから100マイル(160km)の最寄りの大都市だと教えてくれました。

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