エリック・クラプトンの映画「Life in 12 bars」を観ました。私は彼の長年のファンであり、また自叙伝を読んでましたので大体の事は知っていましたが、改めて映画を観て考えさせられる事が多々ありました。黒人ブルースマンのマディ・ウォータースがインタビューで、「白人がブルースを歌おうとしてもソウル(魂)がなく苦労していないので無理だ」と言っていたのが印象的でした。一流の音楽教育を受けたとしても人の心に届く音楽を演奏できるかといえば、そうではありません。人生でどれだけの喜怒哀楽を経験をしたかで音の表現力は変わってきます。クラプトンは、複雑な幼少期、親友のビートルズのジョージ・ハリスンの妻パティ・ボイドとの禁断の恋、ドラック、アルコール依存症との闘い、息子の死などの壮絶なる人生経験が彼のギター・サウンドを作り上げたのです。ことわざに「若い時の苦労は買ってでもせよ」がありますが、その通りだなとこの年齢になりわかり始めました。